グロブ

気合い

裏の顔

深夜、地面を轟かす重低音は完全に心臓を支配し、鳴り響くエレクトロニカが若者たちの身体を揺らす。辺りは虹色、と言ってもピンクや緑の配分の多い気のする光に包まれ、アルコールの香りが漂っている。その甘美な雰囲気に飲まれまいと必死で絞り出した言葉は虚空に消え入った。

「なんで…なんで…あなたがこんな場所に。」

 

「ワシがぁあ!!! ふざけてるとでもいうのかぁあ!!!!!」

 

バカクソでかい声でジャムおじさんが叫んだ。(このジャムおじさんはメスなので生理が来る) 

 

「あざぁぁぁぁあああああっす!!!!!!」

 

急に謝辞を述べ明後日の方向に唾を吐きかけ出した。その唾を物欲しそうに眺める小鬼のキスケは下腹部に血液が溜まるのを感じた。その横では絶えず濱田岳クジャクを捌いている。

 

「ッッッッッッピョォォォオオオオオオオオオッッ!!!!!!!」

 

ジャムおじさんの奇声は止まらない。つい先ほど"次元の壁"を破ったモリゾーはドモホルンリンクルを懸命に肌に塗り込んだが、もう遅い。押し寄せるヌーの大群に抗う気力は残されていなかった。その背後で濱田岳が歌舞伎を考案したとき、十二時の方向にレイトン教授が召喚され、鬼滅の刃無限列車編が始まった。

 

「もう、だめぇぇえええええ」

 

バグったこんまりがすごい勢いで蛇口を捻りつぶし、みるみるうちに小さくなって米粒大になったため、その場はお開きとなった。各々がオリジナル早口言葉を作成しながら帰っていると、どこからともなくボニファティウス8世の声が聞こえた。春はもう終ろうとしていた。